カウボーイや西部劇の本場として知られるアメリカ。アメリカンクォーターホースやアパルーサは有名な品種ですが、今回は”アメリカン・サドルブレッド”、そして”マスタング”をご紹介します。
メイド・イン・アメリカとはこの馬!アメリカン・サドルブレッド
アメリカン・サドルブレッド(American Saddlebred)は「ホース・アメリカ・メイド(アメリカ産の馬)」と呼ばれる品種です。ナラガンセット・ペイサー(Narragansett Pacer)、カナディアン・ホース(Canadian horse)、モーガン・ホース(Morgan horse)、そしてサラブレッドの血を引いています。
ナラガンセット・ペイサーはアメリカで初めて生産された馬ですが、19世紀末に絶滅、現在は見ることができない品種です。初代アメリカ大統領で、アメリカ合衆国建国の父ともいわれるジョージ・ワシントンもナラガンセット・ペイサーを飼っていたのだとか。
18世紀のアメリカ独立戦争時に繁殖されたため、”サラブレッドが祖先”という、なかなか新しい品種のアメリカン・サドルブレッド。そのため体高は152cm~163cm、体重は450kg~540kg、サラブレッドに近い体格をしています。
性格は穏やかで活発。存在感があり、脚は長く、首はカーブを描き、バネのように歩く…と、非常に華やか。そのためハリウッド黄金時代には多くの映画に登場しました。現在でもショーホースとして高い人気を誇ります。
美しいこの馬を最もユニークにさせているのが、ハイ・ステッピング・アクション(High-stepping action)と言われる走り方!
尻尾を高く上げ、足を胸に引き寄せるようにして上げる走り方は、ダンスを見ているようです。
実は日本のあの馬たちと同じ?!マスタング
マスタング(Mustang)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
マスタングはアメリカ北部に生息し、ほぼ野生で生きています。スペイン人がアメリカにやってきた頃、一緒にやってきたコロニアル・スパニッシュ・ホース(Colonial Spanish Horse)が野生化したのがマスタング。
野生馬とはいうものの、本来は野生の動物とはいえません。
家畜化された動物が自然のなかで繁殖し、現在もある程度は米国土地管理局であるU.S. Bureau of Land Management (BLM)の管理下にある…ということで、”feral horse”と呼ばれています。野良馬、といったところでしょうか。日本の在来馬である”御崎馬”に近いものがありますね。
マスタングという名前は、スペイン語由来とされています。一説によると”さまよう人(strayer)”という意味なのだとか。
マスタングの特徴といえるものはなく、群れにはドラフトホースのような馬も、小柄な馬もいます。しかし州ごとに特徴はあり、ネバダ州中心部にいるマスタングはカールした毛を持つ、とのこと。
近年ではマスタングは生態系に影響を及ぼす、及ぼさない、という議論もあり、難しい社会問題として扱われています。
アメリカ最古・最大のホースショー!デボン・ホース・ショー
アメリカで最も古く、最も規模の大きいアウトドア・ホース・ショー。それはアメリカ合衆国北東部、ペンシルベニア州で開催されるデボン・ホース・ショー(The Devon Horse ShowまたはThe Devon Horse Show and Country Fair)です。
このショーは1896年に誕生し、それ以来毎年5月下旬から6月初旬にかけて行われています。始まりは小さなものでした。1896年7月2日、とある紳士が彼の友人や隣人を呼び、1日限りの、小規模なホースショーを開催。
しばらくすると大人気となり、アメリカで最大規模となりました。
現在では国際的な馬のイベントとして名を連ねています。障害馬術や馬車、そして馬術競技を開催。他にも子どもとポニーが主役のゲームや、キツネ狩りをスポーツ化させた競技もあり、馬のアクティビティを集合させたようなイベントです。
ホース・ショー&カントリー・フェア、というだけあって、他のフェアも開催されます。120以上の団体が参加し、アパレルショップやバー、フードコート、お土産ショップなどが立ち並び、幅広い年代が楽しめる一大イベントといえます。
次の開催は2023年5月28日から6月4日。歴史あるホース・ショーを尋ねてみてはいかがでしょうか?