ポニーからサラブレッド、重種まで幅広い品種がある馬ですが、最古の品種は何なのでしょうか?
今回は”最古の血統”をご紹介します。
壁画にも描かれた カスピアンホース
カスピアンホース(Caspian Horse)は、イラン原産の馬の品種。
毛色はさまざまで、性格はとても賢く勇気があると言われています。また忠実さでも有名で、子どもにとっては理想的な馬なのだとか。
アラビアンホースの祖先である馬で、紀元前3,000にはすでに家畜化されており、紀元前1,200〜500年頃の壁画にはカスピアンホースらしき馬が登場しています。
壁画に登場するとはすごい歴史が詰まっていますね!
ヨーロッパ島国の在来馬 アイスランディックホース
氷河期以前には存在したとされる、アイスランディックホース(Icelandic Horse)。
名前のとおり、アイスランド原産の馬です。
面白いことに、この馬たちは冬の時期には干し魚が餌なのだとか。アイスランドという小さな島で島で暮らす彼等にとっては、タンパク質を取り入れる唯一の方法なのかも。とてもユニークで地理的特徴が表れていますよね!
12,000年前にすでに存在していたと言われており、北欧のバイキング神話にも登場します。
この馬は最古の馬であると同時に純血種でもあり、千年以上もの間、他の品種の影響を受けていません。
ちなみにアイスランディックホースたちは速足が特徴的で、振動が少ないと言われています。
そのため、騎乗の際も乗りやすく、ほかの品種よりも重いものを運べるとのこと。
たくましい品種だからこそ、今も変わらず存在しているのかもしれませんね!
砂漠に生きる頑丈な馬 アラビアン
アラビアン (Arabian)は、アラビア半島(中東)原産の馬。
穏やかな一方で神経質さもある馬で、アラブ(種)とも呼ばれます。
とても有名かつ人気な品種ですが、実際の起源は謎に包まれているのだとか。
砂漠に生きる馬であるアラビアンはとても頑丈で、サラブレッドやクオーターホースの祖先として活躍しました。彼らのスタミナが優れているため、ほかの品種にも用いられているのがアラビアンの血でもあります。
黄金に輝く馬 アハルテケ
紀元前3,000〜2,000には存在したとされる、アハルテケ (Akhal-Teké)。
トルクメニスタン原産の馬で、トルクメニスタンでは国旗にも用いられるほど。毛色は黄金、と称されることもある金色・クリーム色です。しかし実際には、鹿毛や青毛、グレイなど、多くの毛色があります。
持ち主との絆が強いのが気質的な特徴ですが、それゆえに嫉妬などもしてしまうそう!?
日本で最も身近なサラブレッドも、このアハルテケの血を引いていると言われています。その血筋は古く、かのマケドニア王アレクサンダー大王もアハルテケを捕まえたのだとか。中国の伝記でも、アハルテケは不思議な力を持つ”天馬”として記述されています。
更に、アハルテケには驚くべき記録があります。1935年に開かれた無名のレースにて、アハルテケとサラブレッドの掛け合わせの血統の馬が4,300kmの距離を84日間、限られた水で走り通したのだとか!
ノルウェーの農業を支えたノルウェージャンフィヨルド
氷河期前には存在したとされる、ノルウェージャンフィヨルド (Norwegian Fjord)。
ノルウェー原産ので、強く耐性のある品種で、気質は友好的・仕事熱心とのこと。
トラクターを用いていないノルウェーの小自作農地では、この馬たちが代わりに働いているそうです。
30,000年前に壁画に描かれた馬の血を引くノルウェージャンフィヨルドですが、彼ら自体はその壁画の馬とは違うとされています。しかし、かなり古い品種であることは確かです。
アイスランディックホースの部分でも登場した北欧のバイキング神話ですが、ノルウェージャンフィヨルドもこのバイキングによって紀元前2,000年以降に家畜化されたとされています。
農耕用・戦争用として使われたこの品種は、多くのヨーロッパの品種に影響を及ぼしています。
おわりに
今回は、馬の品種の中でも最も古い5つの品種をご紹介しました。
日頃皆さんが関わる馬たちにも、この品種の血が流れているかも?
「馬の聖地巡礼」をテーマにした海外旅行も面白そうですね!