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アハルテケの黄金に輝く馬体!その本当の意味とは?馬を祝う国

中央アジア南西部の国”トルクメニスタン”には、世にも珍しい在来馬「アハルテケ」がいます。

この記事では、このアハルテケについてご紹介します。

アハルテケが”黄金”である秘密

https://www.youtube.com/watch?v=N_uaRe3r6Q0 から引用

実はこのアハルテケ、世界中に5000頭以下しかいない、とても貴重な品種なんです!!

世界最古の品種とも言われ、”地獄の門”で有名な”カラクム砂漠”近く(現トルクメニスタン)に3000年も前から存在していたと考えられています。

”黄金の馬”と言われる光り輝く毛色。この毛色の理由は、彼らが砂漠近郊に住んでいたことにあります。確かにこのメタリックな毛色、砂漠では「保護色」として働きそう。馬の体を隠すのにぴったりですね!

「メタリックさ」がアハルテケの特徴ですが、実はその毛色はさまざま。最も多いのは鹿毛で、葦毛も栗毛もいます。砂漠の気候は、夏は灼熱、冬は極寒。そんな場所で昔から生きる馬なので、冬はしっかりとしたダブルコートになります。

美しさだけではなく超強靭な肉体を持つアハルテケ

2枚の写真は、世界のタテガミ代表YURIE KONOが撮影(スペイン,2022)

すらりとした見た目、独特でオリエンタルな美しさを持つアハルテケの体高は144cm~160cm、体重は430kg~500kgです。

サラブレッドに近い体格ですが、実はかなりの体力の持ち主。スタミナと持久力はサラブレッド以上で、4,300kmを84日(!)で走り抜けたという記録を持ちます。

長距離走に必要な

  • 適度な筋肉
  • しっかりした骨
  • 小さく硬い蹄
  • 大きな関節

という恵まれたバランスの良い体を持つ「アハルテケ」だからこその記録です!

そんなアハルテケの初来日は、58年前。1964年の東京オリンピックの時でした!

Absentという名前のアハルテケは、ソビエト連邦の超名馬。ローマオリンピックでは金メダル、東京オリンピックでは銅メダル、その次のメキシコシティオリンピックでは銀メダルという、輝かしい成績を残したメダリストです。

アハルテケのための祝日:トルクメン・ホース・デー

https://www.youtube.com/watch?v=N_uaRe3r6Q0 から引用

毎年4月の最終週の日曜日、トルクメニスタンには”トルクメン・ホース・デー(Turkmen Horse Day)”があります。

文字通り「トルクメニスタンの馬」、つまり、アハルテケを祝うための祝日です。!

トルクメニスタンにとってアハルテケは国の誇りであるため、この日にはお祭りが行われ、アハルテケのショー、馬の展示会、馬場馬術、レースなどが同時に開催されます。

トルクメニスタンの方々がアハルテケを大切に思う気持ちは、飼い方にも表れています。かつては「スタミナのある馬にするため、餌にはアルファルファ(和名:ウマゴヤシ)・マトン(生後2年~7年の羊肉)の脂肪・卵・大麦・揚げたケーキ生地(かりんとうのようなもの)を与えた」という記述も!

国章にアハルテケが描かれていること、祝日があること…トルクメニスタンにとって、なくてはならない存在と言えるでしょう。

日本からこのアハルテケのお祝いに行くには6,708 kmの距離がありますが、今は嬉しいことに日本にもアハルテケが暮らしています!興味のある方は、ぜひ青森県のアハルテケ長谷川牧場をお尋ねください!

さいごに

世界のタテガミでは、アハルテケのような世界各国の在来馬をご紹介しています!

これまでに、アイスランド、インド、フィリピン、ポルトガルなど、超王道からマニアックな情報まで、世界中の馬情報を集めています。

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